玉の話

三島由紀夫の『午後の曳航』は残虐な少年の主人公が出てくる為か神戸連続児童殺傷事件と結び付けられたり、何かと物議を醸す作品であるようだ。自室の覗き穴から隣室で母が夜な夜な営む性行為を監視する少年と、母の相手の男といった三人の登場人物をオイデ…

新宿ゴールデン街-エピタフカレー

呑べえの 聖地「新宿ゴールデン街」も、昼間はかなり閑散としている。しかし、ゴールデン街のある一軒のバーに昼間はカレーを出している店があり、それがかなり本格的で美味しい。「エピタフカレー」というところだ。 カレー一杯800円、あいがけ(ハーフハー…

不可解に慣れること

先日はっきり言うと理解不能な映画を見てしまった。『エヴォリューション』という映画だ。この映画、カズオイシグロ『私を離さないで』やシュペルヴィエル『ひとさらい』を彷彿させるのだが、とにかく画面は終始どんよりとして暗いし、妊娠や出産の生々しい…

中野-アザミ

「 中野ブロードウェイ」 この言葉を聞くだけでワクワクする。「まんだらけ」や「古書うつつ」に並んでいる本を眺めているだけでゆうに半日は消えてしまう。 そんな古本街から少し離れ、駅近に喫茶店アザミはある。ここは料理が美味しいことで有名で、昼時に…

反復語とエロス

近頃、「文学」の定義があやふやになってきているが、”文学”的なものとは、読前/後で何か自分を変えてくれ、見返す度に違う顔を見せてくれるものではないかと私は考えている。私が初めて”文学”と出会ったのは、あの教科書に載っている『高瀬舟』を読んだ時で…

浅草-珈琲天国

浅草の雷門だとかを潜り抜けて、アーケード商店街よりも奥に進んで行く。浅草のいわゆる観光スポットの終わりとも言える所に、カフェ「珈琲天国」はある。 ここのコーヒーは少し薄めで酸味は抑えめ、天国と刻印の入ったパンケーキが可愛い。近頃は分厚くてク…

ひらがなにエロを感じるとき

初めてこの作家を知ったのはいつだったろうか。また、初めてこの作家の作品を読んだのはいつだったろうか。残念ながら正確な日時を思い出すことは出来ないが、初読の時の感想は「随分エロティックな文体を持つババアが世の中にはいるものだ。気持ちが悪いな…